不妊症
日本では1年以上妊娠しない場合に不妊症と診断し、年齢が高い場合にはより早期に検査と治療を開始したほうがよいという考えが一般化してきています。
もっとも女性が妊娠しやすい年齢は、20歳前後とされています。年齢が上がり、特に30歳台後半になると、年ごとに妊娠し難くなり、女性の年齢が45歳を過ぎると、たとえ排卵や月経があっても、赤ちゃんを作ることの出来る強い卵子はできなくなってしまうために妊娠の可能性はほとんどなくなります。
不妊症の原因は、女性側では排卵因子(排卵障害)、卵管因子(卵管狭窄、閉鎖など)、子宮因子(子宮筋腫、子宮内膜ポリープなど)頸管因子、免疫因子が考えられます。男性側では射精がうまくいかない場合(性機能障害)、精液中の精子の数や運動率が悪くなっている場合(精液性状低下)に分けられます。
不妊症の検査は、女性側では診察台上で内診、経腟超音波検査を行い、子宮筋腫、卵巣のう腫、子宮内膜症などの異常がないか確認します。また血液検査を行いホルモン分泌の異常や糖尿病などの有無を確認することや卵管の通過性を確認する卵管造影検査を行うことも有用です。男性側では精液検査を行います。不妊症カップルの50%は男性側原因とされており、ぜひとも男性も検査を受けることをお勧めします。
不妊症の治療は、原因に応じた治療になります。排卵と受精を補助する方法には、タイミング法、排卵誘発法、人工授精、そして体外受精などの生殖補助医療があり、順番にステップアップして行われることが多いです。但し、体外受精などの生殖補助医療は当院では行っていません。必要な場合あるいは希望される場合には専門病院を紹介します。